スイミングプール付き物件を保有する際、州ごとに規制が異なりますが、南オーストラリア州(SA州)の規制は他州と比べて緩いそうです。
「スイミングプール」というのは、水を貯めることが出来て、その中で泳いだり、水遊びが出来たり、浸かったりすることが出来る構造物であり、プールとかスパとか呼ばれるけれども、浴室にあるものではない物、だそうです。魚などを飼う人工池や水が流れるインテリアや噴水などは含まれません。
プール付き物件の話をする際、まず最初に確認するのは、コンプライアンス証明書があるのかどうか、という点です。
法令順守については、そのプールがいつ出来たのか、という点で内容が異なってきます。
1993年7月1日が基準日となり、それよりも前からあったプールについては、フェンスや防壁などが安全基準を満たしていることが求められます。基準日以降に出来たプールに関しては、指定の建物基準を満たして設置されたことが求められます。
2014年と2016年、そして2019年に追加で法改正があり、現在では、新しいプールを設置する場合、水を張る前に行政からの認可を受ける必要があり、守られない場合には$750の罰金となります。
プール付き物件を売却する場合、売り手から買い手への説明責任が発生しますが、公式な証明書などを提出する義務はなく、また、そういった類の証明書は存在しないのが現状です。しかしながら、水の事故を防ぐという観点から、フェンスや防壁といった安全対策を取ることは売り手に求められており、一般的にはPrivate certifierと呼ばれるプールの専門家に安全チェックを行ってもらい、コンプライアンス証明書を発行してもらって買い手へ提出するという手順が、SA州不動産業界の自主判断として売買取引成立条件に組み込まれています。この証明書が間に合わないために引渡日が延期され、売り手有責の契約不履行となってペナルティーが発生する事態になることもあります。
プール付き物件を購入する際には、契約書上でこのコンプライアンス証明書の扱いがどう記載されているか、また、この証明書を物件引渡日までに入手することを忘れないようにするべきですし、売却が決まった際には、証明書の手配を忘れないようにするべきでしょう。
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